この記事でわかること
- 第106回パチンコDI調査の、景況感・稼働・新台投資の数字
- パチンコとパチスロの差が、約88ポイントまで開いていること
- ホールの投資の偏りと、配信で見かける機種の偏りの関係
エムズマーケティングの「第106回パチンコDI調査」で、ホール経営者の景況感が「晴れ」に改善しました。一方で、パチンコとパチスロの稼働の差は、約88ポイントと、大きく開いたままです。
新台への投資意欲も、パチスロに偏っています。数字の読み方を整理したうえで、配信で見かける機種の偏りとのつながりを、パチ配信チェッカーの記録から確かめます。
調査の概要と、全体の景況感
調査は、2026年9月10日から30日にかけて行われ、全国のホール経営企業50社・90地域が回答しました。
| 項目 | DI値(前回比) | 業界天気 |
|---|---|---|
| 全般的業況(直近1カ月) | 15.6pt(前回7.6ptから+8.0pt) | 晴れ |
| 3カ月後の見通し | 6.7pt | 曇り |
| 業況(小規模/中規模/大規模) | 22.2pt/15.8pt/19.0pt | いずれも上向き |
直近の収益・売上・粗利から見た景況感は、前回の7.6ポイントから、15.6ポイントへ上がりました。ただ、3カ月後の見通しは6.7ポイントに下がっていて、ホール側は、先行きには慎重です。
POINT
DIは、回答したホールの「良い」と「悪い」の差を示す数字で、稼働そのものの増減率ではありません。▲48.9は、パチンコ稼働が48.9%減ったという意味ではなく、悪いと答えたホールが、よいと答えたホールを大きく上回っているという意味です。
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稼働:パチンコ▲48.9pt、パチスロ38.9pt
| 区分 | 稼働DI(前回比) | 3カ月後の見通し |
|---|---|---|
| パチンコ | ▲48.9pt(+6.8pt)「雷雨」 | ▲52.2pt |
| 4円パチンコ | ▲50.6pt | – |
| 低貸玉パチンコ | ▲15.6pt | – |
| パチスロ | 38.9pt(+6.0pt)「快晴」 | 38.9pt |
| 20円パチスロ | 37.8pt | – |
| 低貸メダルパチスロ | 27.3pt | – |
パチンコは前回より6.8ポイント改善しましたが、依然として大きなマイナス圏です。3カ月後の見通しは、さらに下がっています。パチスロは「快晴」を保ち、見通しも変わりません。
両者の差は、87.8ポイントです。同じパチンコでも、低貸玉は▲15.6ポイントと、4円(▲50.6ポイント)より落ち込みが小さく、遊技料金によって、状況が分かれています。
新台投資と設置台数:パチスロは増やす、パチンコは減らす
| 項目 | パチンコ | パチスロ |
|---|---|---|
| 今後3カ月の新台購入費DI | ▲22.4pt(+6.2pt) | 34.7pt(+20.7pt) |
| 今後3カ月の設置台数DI | ▲37.5pt | 45.8pt |
新台の購入費は、パチンコが▲22.4ポイントで、購入を抑える意向が優勢です。ただ、抑制の度合いは、2期連続で弱まっています。一方、パチスロは34.7ポイントで、前回から20.7ポイント上がり、今回の調査で最も伸び幅の大きい項目です。
設置台数も、パチンコは減台、パチスロは増台の意向です。調査を報じたメディアは、パチスロ主導の営業が強まっていると伝えています。
POINT
見出しの「新台投資はスマスロ集中」について。調査の数字は「パチスロ全体」のもので、スマスロ単独の数字は公表されていません。ただ、直近の新台ラッシュで話題の中心になったのは、獣王やモンハンなどのスマスロでした。
ホールの本音と、経営課題
自由回答には、現場の声が出ています。
- 年末まで、パチスロ中心の稼働が続くとの見方
- 関東の中規模の事業者は、新たな通常フラグの機種に期待
- 東北の大規模な事業者は、今後みなし機になる機種の代替機の導入台数が、現在の保有台数を下回ることを懸念
経営課題は、規模によって違います。小規模店(1〜3店舗)は人手不足・人材確保(66.7%)が最多で、中規模(4〜10店舗)は設備・運営費の増加と競争激化(ともに65.0%)、大規模(11店舗以上)は設備・運営費の増加(61.9%)が最多でした。遊技機販売の縛りは、全規模で上位に入っています。
ホールの数が減っている背景は、経営法人が10年で半減したことも伝えています。投資を、稼げる機種に絞らざるを得ない状況が、この数字に表れているともいえます。
配信への影響:ホールの稼働と、配信の熱量は別物
ここからは、編集部の見立てです。
10月5日の新台初日は、パチスロ5機種・パチンコ7機種が導入されました。ところが、同接が記録された新台の配信は、延べ数で、パチスロが26本、パチンコが14本と、パチスロに偏りました。ホールの投資意欲が、そのまま、配信の機種の偏りに表れた形です。
一方で、ホールの稼働が低迷しているパチンコにも、熱心な視聴者がいます。エヴァンゲリオンのページでは、10月12日に「エヴァ15」の配信が最大11,584人を集めました。パチンコ専門の配信者が毎日配信を続けていて、10月19日には、約1.5万台の新台「エヴァ -319 RED-」が導入されます。
POINT
ホールの稼働と、配信の関心は、必ずしも一致しません。稼働が厳しいパチンコでも、人気シリーズの新台には、配信の視聴者が集まります。
また、パチスロの新台の供給は、絞られています。7月のパチスロの型式試験の適合率は8.1%まで下がっていました。ホールの投資意欲が高いのに、新台が足りない状態になれば、限られた新台に、ホールも配信者も集中しやすくなるでしょう。これも編集部の推測です。
見たい機種の配信が見つからないときは、お気に入り登録や、機種ページから探すと、見つけやすくなります。
編集部コメント
今後どうなるか:ホールの見通しでは、年末までパチスロ中心の営業が続きそうです。3カ月後の景況感は下がる予測のため、次回の調査で、改善が続くかが焦点です。
配信者への影響:パチスロの新台に配信が集まりやすい一方、パチンコの新台は、数が少ないぶん、打てる配信者が目立ちやすくなります。
視聴者への影響:「スマスロばかり」と感じる背景には、ホールの投資の偏りがあります。パチンコの配信は、機種ページやお気に入りで、探すのが近道です。
編集部として注目している点:パチスロの新台の供給が、ホールの投資意欲に追いつくかです。次回のDI調査と、型式試験の数字を、あわせて追います。
まとめ
第106回パチンコDI調査では、全般的業況が15.6ポイントの「晴れ」に改善しました。ただ、稼働はパチンコ▲48.9ポイント、パチスロ38.9ポイントと、差は87.8ポイントです。新台投資もパチスロに偏っています。調査の数字は、スマスロ単独ではなくパチスロ全体のものです。ホールの稼働と配信の熱量は別物で、パチンコにも、人気シリーズに集まる視聴者がいます。
